メディア・出版業界において、暴力団取材を取り巻く環境も様変わりした。かつてのように内部深くまで入り込み、生々しい肉声を拾い上げることは極めて困難になっている。しかし、表舞台から姿を消しつつあるからこそ、その地下水脈の動向を追う調査報道の価値は失われていない。
情報通信技術の発達と反社会的勢力排除の徹底によって、組織の不透明化は一段と進んだ。一般社会との境界線が曖昧になる「匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)」の台頭が治安上の焦点となるなか、伝統的な組織がどのような距離感を保ち、あるいは影響力を失っていくのか。取材陣は今もかすかな兆候を追い続けている。