朝ドラ『あさが来た』の真実と現在|広岡浅子の実像と五代ロスの正体

朝ドラ『あさが来た』の真実と現在|広岡浅子の実像と五代ロスの正体

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幕末の京都、豪商・今井家に生まれたお転婆な少女・あさが、大阪の老舗両替商「加野屋」の次男・白岡新次郎へ嫁ぐところから物語は大きく動き出します。時代の激変によって江戸幕府が崩壊し、多くの商人たちが没落していく中、あさは持ち前の商才と不屈の精神を発揮。炭鉱事業への進出、銀行の設立、そして生命保険会社の創業へと事業を拡大し、明治から大正にかけて実業家として日本経済の黎明期を駆け抜けました。

脚本を手掛けた大森美香は、あさの口癖である「びっくりぽん」と「九転び十起き」というキーワードを軸に、重厚な幕末・明治の近代史を軽妙洒脱なホームドラマへと昇華させました。関東地区の世帯平均視聴率は23.5%、全156回のうち記録した最高視聴率は27.2%に達し、朝ドラとしては今世紀ナンバーワンの金字塔を樹立。この数字は、それまで圧倒的な支持を集めていた『ドクターX』などの民放キラーコンテンツをも凌駕する驚異的な記録でした。

物語の結末において、あさは女子高等教育機関(日本女子大学校、現・日本女子大学)の創設という次世代への遺産を残し、晩年は後進の育成に力を注ぎます。そして最愛の夫・新次郎が病に倒れ、菜の花畑の幻影の中で「あさ、ご苦労さん。今日もよう励んだな」と語りかけ、あさの手を握りながら静かに旅立つ最終週のクライマックスは、多くの視聴者の涙腺を決壊させました。単なる立志伝にとどまらず、生涯を通じたパートナーシップの完成形を描き切った点が高視聴率の根底にありました。

高橋 健太
著者

高橋 健太

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。