スマートフォンの普及によって情報が手軽に入手できる一方、生後まもない時期の「目が合わない」という悩みを自閉スペクトラム症(ASD)などの発達障害と結びつけて悩む保護者が増えています。しかし、小児神経科や発達の専門家は口を揃えて「新生児期の段階で自閉症を予見することは医学的に不可能」と明言しています。
自閉症の特徴とされる社会的コミュニケーションの課題(視線が合いにくい、呼んでも振り向かないなど)が診察の対象として検討され始めるのは、どれほど早くても生後1歳から1歳半以降です。神経回路が未熟な生後0〜2ヶ月の赤ちゃんの視線の揺らぎは、病気や障害の兆候ではなく、ヒトが成長していく過程の自然なステップに過ぎません。ネット上の根拠の薄い情報に振り回され、目の前の我が子との愛おしい触れ合いの時間を曇らせてしまうのは非常にもったいないことです。