クリニックと病院の違いとは?病床20床の境界線と医療費の真相

クリニックと病院の違いとは?病床20床の境界線と医療費の真相

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インターネット上の質問掲示板やSNS上では、受診先の選定を巡るリアルな不満や困惑が日常的に発信されています。取材班が収集した患者側と医療従事者側の双方の声から、制度と現実のギャップが浮かび上がってきます。

都内在住の40代会社員は、自身の体験を次のように語ります。
「激しい頭痛が数日続いたため、不安になって都内の大学病院に直接飛び込みました。受付で『紹介状はお持ちですか?ない場合は選定療養費として8,800円かかります』と淡々と言われ、背に腹は代えられないと承諾。しかし、待合室で3時間半待たされた末、診察はわずか4分。『重篤な所見は見られないので鎮痛剤を出します。詳しいMRI検査は1か月後になります』と言われ、会計は1万2,000円超。最初から近所の脳神経外科クリニックに行けば、即日オープンMRIで撮影してもらえた上に、費用も数分の一で済んだと後から知り、激しく後悔しました」

こうした患者の嘆きに対し、急性期病院に勤務する総合内科専門医は現場の苦渋を吐露します。
「大病院の外来がパンクすれば、本来一刻を争う救急患者や、高度な抗がん剤治療・緊急手術を必要とする重症患者の対応に深刻な遅れが生じます。現場の医師たちも、風邪や軽度の腰痛で来院される患者さんを邪険にしたいわけではありません。しかし、限られた人員と検査設備を最重症の方へ集中させなければ、地域全体の医療体制が崩壊してしまうのです。選定療養費は『罰金』ではなく、医療資源を守るための交通整理ルールだとご理解いただきたい」

地域医療の現場では、2024年から本格稼働している「かかりつけ医機能報告制度」を通じ、日常的な初期診療を担う地域のプライマリ・ケア医と、高度医療を担う急性期病院の連携が急速に強化されています。患者側が「大病院=最良の医療」という固定観念を捨て、ファーストオピニオンを近隣のクリニックに託す姿勢が現場からも強く求められています。

高橋 健太
著者

高橋 健太

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。