厳しい自然環境を生き抜くキタキツネの食事メニューは、きわめて合理的です。分類上は食肉目イヌ科に属し、肉食傾向が強い雑食性動物として知られています。
彼らにとって年間を通じて最大の好物であり主食となっているのがエゾヤチネズミなどの小型齧歯類(ネズミ類)です。キタキツネの胃内容物を分析した学術調査でも、捕食量の大半をネズミが占めていることが明らかになっています。
主食となるネズミ以外にも、季節や生息エリアに応じて驚くほど多彩な獲物を口にします。
- 春〜夏:エゾユキウサギの幼獣、野鳥の卵やヒナ、バッタやセミ、甲虫類などの昆虫
- 秋:栄養価の高いコクワ(サルナシ)やヤマブドウ、ナナカマドなどの木の実・果実、川を遡上するサケやマス
- 冬:成体のエゾユキウサギの捕食、雪の下に潜むネズミ、シカの死骸(ロードキルや自然死したエゾシカ)
このように、野生のキタキツネは周囲の生態系バランスに順応しながら、高タンパクな獲物を中心にビタミン源となる植物性食物もバランスよく摂取しています。