土建屋を語る上で欠かせないのが、土建屋とゼネコンの違いおよび業界特有の重層構造です。ゼネコン(General Contractor:総合工事業)は、発注者から数十億円から数千億円規模の大規模プロジェクトを一括して請け負い、工程管理、予算管理、安全管理、品質管理を一手に担う「オーケストラの指揮者」です。大成建設、鹿島建設といったスーパーゼネコンに代表されるように、彼ら自身が現場でスコップを持ったり重機を操縦したりすることは原則としてありません。
実際の加工作業や土砂の掘削を行うのは、下請けとして現場に入る土建屋や専門工事業者です。ここに建設業界の下請け多重構造が生じます。
あわせて押さえておくべきは、土木工事と建築工事の違いです。土木工事は道路、トンネル、橋梁、護岸、造成など「地面やインフラそのものを創る仕事」であり、発注者の大半は官公庁です。一方で建築工事は住宅、商業ビル、工場など「地上に空間・構造物を建てる仕事」であり、民間発注が多くを占めます。一般的な土建屋は、このうち基礎造成や外構、道路工事といった土木分野において特に高い実動力を誇っています。