ファンの間で長年議論が交わされてきたテーマの一つに、原作コミックとの設定違いが挙げられます。MCUでは権利上の整理や物語の簡略化のために「純粋なヴィブラニウム製」と設定されましたが、原作コミックの初代シールドは単一の金属ではありません。
コミック版のシールドは、冶金学者マイロン・マクレイン博士がヴィブラニウムと未知の鉄鋼合金を溶融結合させようと試みた際、博士が眠りに落ちた間に偶然完成した「プロト・アダマンチウム(Proto-Adamantium)」と呼ばれる奇跡の合金です。博士自身も配合比率を再現できず、その合金を模倣・再現しようとする過程で誕生した副産物が、ウルヴァリンの骨格に注入された「真のアダマンチウム(True Adamantium)」でした。
ここで押さえておくべきなのが、ヴィブラニウムとアダマンチウムの違いです。前者は「エネルギー吸収と反発・振動操作」に長けたしなやかさを持つワカンダ由来の地球外隕石金属であり、後者は「一度硬化すると分子レベルで不可逆となり、核爆発ですら傷一つつかない絶対的硬度」を誇る人工金属です。MCUでは2020年代半ばまで映画の配給権やスタジオの管轄の違いからアダマンチウムの言及が避けられてきましたが、両者の物理特性の違いを理解することで、防御と攻撃の力学がより明快に見えてきます。