世間一般で語られる「Fラン」の線引きには、主に3つの異なるレイヤーが存在します。この階層を混同することが、受験生や保護者の不要な不安を煽る最大の要因です。
- 第1の基準(本来の定義):河合塾の入試判定で「BF」がついた学科・大学。定員割れが常態化し、選抜機能が失われている大学群。
- 第2の基準(社会通念上の低偏差値帯):BFには至らないものの、偏差値が35〜37.5前後に位置し、公募推薦や総合型選抜で大半の定員を充足させている地方私立大学や新設私大。
- 第3の基準(ネット上の誇張表現):MARCH(明治・青山学院・立教・中央・法政)や関関同立(関西・関西学院・同志社・立命館)以外はすべてFランと見なす極論。
特に論点となりやすいのが、中堅私大グループの代表格である日東駒専(日本大学・東洋大学・駒澤大学・専修大学)との違いです。データを見れば明らかなように、日東駒専の一般入試における平均偏差値は概ね47.5〜57.5の範囲に位置しており、上位約30〜40%前後の学力を要します。倍率も2〜4倍を超える過酷な一般選抜をくぐり抜ける必要があり、統計的にFランと呼ぶことは客観的な事実から完全に乖離しています。ネット上の極論を真に受けて中堅私大を同一視するのは、進路選択において致命的な誤謬を招くもとです。