フィットネス現場やSNS、質問コミュニティでは、日夜「筋肉痛がこない」ことに対する焦燥感と葛藤が吐露されています。大手スポーツクラブで指導にあたるトレーナーたちの証言や、一般トレーニーのリアルな声を集約すると、心理的な落とし穴が浮き彫りになります。
ネット上の掲示板や知恵袋には、「ベンチプレスを限界までやったのに翌朝全く痛くない。効いていないのか」「痛くならないとサボったような罪悪感がある」といった投稿が溢れています。都内パーソナルジムのチーフトレーナーは次のように証言します。
「お客様の多くが『筋肉痛=努力の通知表』のように捉えています。そのため、痛みが来ないと『今日のセッションは手抜きだったのではないか』と不安を口にされます。しかし、フォームが安定し、対象筋に適切な負荷を乗せられる上級者ほど、無駄な代償動作が消えて関節や筋膜への無理な牽引が減るため、翌日の痛みがマイルドになる傾向があります。痛みが減ったのは、フォームが洗練された証拠でもあるのです」
痛覚という感情的で分かりやすいフィードバックに依存してしまうと、「痛みを出すための不自然なフォーム」や「無謀な重量設定」に手を染めることになります。結果として腱鞘炎や肩峰下インピンジメント、腰椎椎間板ヘルニアといった整形外科的故障を招くケースが現場では後を絶ちません。