「周囲に妊娠を打ち明ける前の妊娠3ヶ月〜4ヶ月の段階で、すでに手持ちのパンツが閉まらなくなった」という声は、双子を妊娠した女性の手記や当事者コミュニティで頻繁に語られる共通体験です。一般的に単胎妊娠の場合、初産婦であれば妊娠16週〜20週(妊娠5〜6ヶ月頃)になってようやく「下腹部が少しふっくらしてきた」と感じるケースが大半を占めます。しかし、双子妊娠では妊娠12週〜14週(妊娠4ヶ月)の段階で、明らかに子宮の隆起が目視や触診で確認できるようになります。
この急激な変化をもたらす多胎妊娠お腹の出方理由は、単純な胎児体重の増加だけにとどまりません。妊娠初期から母体内で起こる劇的な体液量の増加と、解剖学的な容積拡大が複合的に作用しているためです。
まず挙げられるのが、子宮内に存在する付属物の物理的ボリュームです。胎児が2人いることはもちろん、羊水腔が2つ存在する(DD双胎やMD双胎など)場合、子宮内の羊水総量は単胎と比べて約1.5倍から2倍近くに膨らみます。さらに胎児へ酸素と栄養を供給する胎盤も、2個分あるいは融合した極めて大きな組織として子宮壁に形成されます。これらすべてを収容するため、子宮筋(ミオメトリウム)は妊娠ごく初期から強力なホルモン刺激(エストロゲンやプロゲステロン)を受け、急速に筋線維を伸展・増殖させていきます。
加えて、多胎妊娠では母体の循環血液量が単胎妊娠以上に急増(通常単胎で約40〜50%増のところ、多胎では50〜60%超の増加)し、骨盤内のうっ血や腸管の圧迫が早期から発生します。その結果、腹腔内の臓器が上部および前方へと強く押し出され、外見上「早期にお腹がぽっこりと突き出る」現象が生じるのです。