白カビの一部(無害な産膜酵母)であれば表層の除去や熱湯処理でリカバリーできる場合もありますが、青カビや黒カビを発見した場合は一切の躊躇なく廃棄するのが食品衛生上の鉄則です。
青カビ(ペニシリウム属など)や黒カビ(クラドスポリウム属、アスペルギルス属など)は、湿潤な環境と有機物を好んで根を張ります。これらのカビ類の一部は「マイコトキシン(カビ毒)」と呼ばれる熱に強い毒素を産生することが知られており、微量であっても肝機能障害や腎機能障害、アレルギー反応を引き起こすリスクがあります。
また、梅干しを持ち上げた際に納豆のように糸を引くネバネバが生じている場合、それはカビではなく耐酸性細菌による腐敗が極限まで進行している兆候です。本来、梅干しに含まれる高濃度のクエン酸(pH2〜3前後の強酸性)は菌の増殖を抑えますが、調味液によってpHが中性寄りに緩んだ調味梅干しでは、雑菌が果肉の糖分やアミノ酸を分解して粘性物質を作り出します。異臭を伴うネバつきがあるものは、加熱しても毒素が分解されない恐れがあるため口に入れてはなりません。