小網神社の授与品窓口において、参拝者が真っ先に尋ねるのが「強運のしずく玉」の頒布状況です。水滴を象った美しい造形と、身に降りかかる不浄を洗い流して強運をもたらすと伝わるこの神札・御守は、現在極めて入手困難な状態が続いています。
小網神社の強運のしずく玉の値段(初穂料)は、一体あたり1,000円から1,500円前後の奉賛金として納められるのが一般的です。他の名刹・古社が授与する標準的な御守と同等の水準であり、決して法外な価格設定ではありません。それにもかかわらず、ネットオークションやフリマアプリでは数倍以上のプレミアム価格で取引される異常事態が生じています。
関係者への聞き取りや現地調査から浮かび上がった小網神社でお守りの売り切れが続く理由は、大きく分けて3点存在します。
第一に、授与品の奉製体制における物理的な限界です。工業製品のように大量生産されるものではなく、神域での神事と職人の手作業を伴う工程を経て一体ずつ奉製されているため、1日に供給できる数量には明確な上限があります。
第二に、SNSのアルゴリズムが生み出した爆発的な認知拡大です。「持病の手術が無事に成功した」「窮地にあった資金繰りが急転直下で好転した」といった個人の体験談がX(旧Twitter)やInstagramで拡散され、運気の転換を渇望するビジネスパーソンや受験生、経営者層が全国から押し寄せています。
第三に、頒布に関する運用の厳格化です。神社側は転売目的の買い占めを防ぐため、1人あたりの拝受数を厳格に制限していますが、需要の純増スピードが供給体制を遥かに上回っているのが2026年現在の偽らざる現状です。