スモークツリーを庭で扱う上で、品種ごとの特性理解を欠いた剪定は命取りとなります。近年の住宅事情に合わせて急速に普及したコンパクトな品種と、従来からある高木種では、剪定に対するアプローチが根本から180度異なります。
特に配慮が必要なのが、庭木として圧倒的な支持を集める「ヤングレディ」や「リトルルビー」などに代表されるスモークツリー矮性品種剪定です。矮性種(わいせいしゅ)は成木になっても樹高が1.5〜2m程度に収まるよう品種改良されており、若木のうちから節間が短く、極めて密に花芽をつける特性を持っています。こうした矮性品種に対して、高木種と同じ感覚で強剪定を施すと、株全体に過度なストレスがかかり、枝枯れや生育停止を招く恐れがあります。
矮性種の手入れは、花後の花がら摘みと、混み合った小枝を軽く間引く程度の「軽剪定」にとどめるのがプロのセオリーです。一方、「ロイヤルパープル」や「グレース」といった大型品種は、放任すると平気で4〜5mを越える巨木へと成長します。これら高木種の場合は、あらかじめ敷地の広さに合わせて主幹の高さを決め、定期的な落葉期の強剪定で樹高を一定ラインにリセットする計画的な管理が不可欠となります。