絵画館の最大の見どころは、中央大広間を挟んで左右の回廊に整然と並ぶ縦3メートル×横2.7メートル級の巨大壁画群です。明治天皇の御誕生から崩御に至るまでの激動の事績を、年代順に視覚化しています。
最大の特徴は、向かって右側(東側)に日本画40枚、左側(西側)に洋画40枚が完全に左右対称で配置されている点です。当時を代表する一流画家たちが総動員され、徹底した時代考証のもとに筆が執られました。
- 日本画の代表作:前田青邨『大政奉還』、安田靫彦『憲法発布式』、横山大観『長州滞陣』など、古典技法と近代精神が融合した名画が並びます。
- 洋画の代表作:和田英作『憲法発布式』、藤島武二『軍艦初航』、岡田三郎助『女子師範学校行啓』など、写実力と重厚な油彩表現が際立つ傑作揃いです。
これらの壁画は公費ではなく、当時の旧華族、財界人、地方自治体などの献納(寄付)によって制作されました。単なる皇室の記録画にとどまらず、日本が近代国家へと変貌を遂げていく政治・軍事・文化・教育の全容を俯瞰できる「絵画で読む近代史絵巻」となっています。