店舗の暖簾をくぐった客がまず驚かされるのは、注文時のシステムだ。看板メニューである関西だし醤油ラーメン「ピストル」をはじめとする一杯において、器の周りに咲く大判のレアチャーシューは、1枚から5枚まで同一価格で選ぶことができる。物価高が叫ばれて久しい現在の日本で、この大盤振る舞いは一見すると無謀なコスト設計にも思える。
しかし、ここに緻密な計算と独自のマーケティング思想が隠されている。低温調理でしっとりと仕上げられたチャーシューは見た目のインパクトが抜群で、着丼した瞬間に客がスマートフォンのカメラを構える引き金となる。ソーシャルメディア上には連日、丼一面を肉が埋め尽くした鮮烈な写真が投稿され、それが新たな来店動機を生み出す循環が完成しているのだ。さらに、替玉(半玉)の無料サービスなど、満足度を最優先にする仕掛けがリピーター率の底上げに直結している。