藤田氏の結婚観を語るうえで避けて通れないのが、2004年に世間を震撼させた女優・奥菜恵氏との初婚と、わずか約1年半後の2005年7月に迎えた電撃離婚です。時代はITバブルの余波が残り、六本木ヒルズを拠点とする新興IT社長とトップ女優のゴールインは「平成のシンデレラストーリー」としてメディアに過熱報道されました。
しかし、その華やかさの裏で生じた亀裂は深刻でした。藤田氏が自著『起業家』や過去の手記、特番インタビューで述懐しているように、当時はサイバーエージェントの株価低迷や企業買収の脅威に晒され、精神的にも肉体的にも極限状態にありました。平日・休日を問わず会社に寝泊まりし、24時間経営のことしか考えられない創業経営者と、芸能界で繊細な感性を発揮しながら家庭の温もりを求めた奥菜氏との生活リズムは、瞬く間にすれ違っていきました。
離婚発表当時、週刊誌による様々な憶測やスキャンダル合戦が巻き起こりましたが、本質的な離婚理由は「経営の激戦期における精神的孤独と、生活価値観の致命的な乖離」にありました。公私ともにメディアの標的となり、私生活をエンターテインメントとして消費された経験は、藤田氏に深い傷と大きな教訓を残しました。この手痛い挫折こそが、2009年の再婚において「メディアに一切出ない一般女性」を伴侶に選び、家庭内を完全な聖域(サンクチュアリ)として守り抜く確固たる方針へとつながっています。