妊娠中にプロテインはダメ?危険視される理由と胎児への影響・真実

妊娠中にプロテインはダメ?危険視される理由と胎児への影響・真実

妊娠中にプロテインはダメ?危険視される理由と胎児への影響・真実に関する基本知識を初心者にも親しみやすくまとめました。今すぐチェックことができます。

「赤ちゃんのためにタンパク質をたくさん摂らなければならない」という焦燥感が、過剰摂取の引き金になります。厚生労働省が公表している「日本人の食事摂取基準」において、成人と各妊娠ステージにおける推奨量を正しく把握することが不可欠です。下記のデータ比較表は、厚生労働省基準と市販プロテイン1食分の含有量、および臨床現場での判断基準を整理したものです。

区分・ステージ推奨量(厚生労働省基準)日常食品での換算目安編集部の見解・プロテイン要否成人女性(非妊娠時)50g / 日卵1個、納豆1パック、鶏むね肉100g程度通常の3食の食事で十分に充足可能なレベル妊娠初期(〜13週)50g / 日(付加量 +0g)非妊娠時と同等(追加の増量は不要)プロテイン不要。無理に補給する必要は一切なし妊娠中期(14〜27週)55g / 日(付加量 +5g)牛乳1杯(約200ml)または茹で卵半分程度食事の小鉢1品で補えるためパウダー依存は非推奨妊娠後期(28週〜)75g / 日(付加量 +25g)焼き魚1切れ+豆腐半丁などの追加が必要胃の圧迫で食が細い場合のみ無添加製品を検討市販プロテイン(参考)1食あたり15〜25g製品1杯で1日の付加量を即座にオーバー食事に上乗せして飲むと過剰摂取のリスクが極めて高い

データが物語る通り、厚生労働省が定める妊娠中のタンパク質必要量厚生労働省基準において、妊娠初期の推奨付加量は「0g」です。胎児の器官形成期である初期に、プロテインを飲まないと栄養が足りないということは生化学的にあり得ません。後期であっても付加量はプラス25gであり、これは手のひらサイズの鮭の切り身1切れ(タンパク質約20g)で大半を賄える数値です。

また、母体管理において注視すべきが妊娠高血圧症候群とタンパク質摂取の相関関係です。かつての産科医療では一律のタンパク制限が議論された時代もありましたが、現在の周産期医療では「適正なタンパク質摂取」が血管内皮細胞の機能維持と循環血液量の保全に不可欠であると位置付けられています。しかし、ここで求められるのは食材からビタミンB群や鉄分、亜鉛などとともにバランスよく摂取される複合タンパク質です。サプリメントから単一のアミノ酸濃縮物を急激に摂取することは、母体の電解質バランスを乱し、むくみや尿タンパク陽性を誘発する契機になりかねません。

山本 拓海
著者

山本 拓海

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。