表参道や銀座のトップサロンを対象としたヒアリング取材によると、2024年から2026年にかけて「ワンホン風のスタイルを希望する顧客」は全体の35%以上を占め、10代後半から40代まで幅広い層に広がっています。この熱狂の背景には、単なる異国カルチャーへの興味にとどまらない、現代日本のユーザー心理が深く関係しています。
都内のヘアサロンで統括ディレクターを務める美容師は、現場の実感を次のように証言します。「従来の韓国風スタイル(オルチャンやヨシンモリ)は、重ためのラインとタイトなシルエットが特徴でした。一方のワンホンは、日本人が好む『軽さ』『柔らかさ』『毛先の動き』と非常に親和性が高い。骨格補正力が極めて高いため、コンプレックスを解消しやすいのです」。
社会学や情報行動の観点から分析すると、スマートフォンのカメラ性能向上とショート動画の普及が決定打となっています。小紅書(RED)やTikTokにおける「自撮り・短尺動画」は、静止画の加工アプリとは異なり、動いたときの立体感や角度による光の反射がダイレクトに映し出されます。ワンホンスタイルのくびれヘアや束感まつげ、ツヤネイルは、「動いた瞬間に最も美しく映えるよう設計されたデザイン」であり、動画ネイティブ世代の自己演出欲求と完全に合致したと言えます。