日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会の臨床報告やWebアンケート調査、SNS・コミュニティ上の当事者の手記を横断的に分析すると、患者が直面する初期症状の誤認パターンが鮮明に浮かび上がります。
大手ネット掲示板や知恵袋で頻繁に見られるのは、「風呂上がりに耳に水が入ったと思って2日間綿棒でグリグリしていたが、耳鼻科に行ったら突発性難聴と診断され、即座に入院を勧められた」「イヤホンで音楽を聴こうとしたら片方だけボリュームが小さく壊れたのかと思った」という生々しい告白です。耳鼻咽喉科の診療現場でも、医師が「もっと早く来てくれれば」と悔やむケースの代表格が、この耳閉感を単なる水や耳垢と思い込んで数週間放置した症例です。
さらに昨今、長時間の完全ワイヤレスイヤホン使用やリモートワークの定着に伴い、外耳道を物理的に密閉し続ける生活習慣が蔓延しています。これにより外耳道湿疹や耳垢塞栓のリスクが高まるだけでなく、過密な業務環境による自律神経の失調から、耳管機能不全や低音障害型難聴を発症する20〜40代の若年層が臨床の現場で急増しています。