初期中絶(妊娠11週6日まで)が器具による子宮内容除去術で日帰りまたは1泊の手術で完結するのに対し、妊娠12週から21週の中絶手術はまったく異なるプロセスを踏みます。妊娠4カ月を過ぎると胎児の骨格が形成され、胎盤も完成に近づくため、子宮口を無理に広げて胎児を掻き出す処置は子宮穿孔や大量出血を引き起こす危険性が極めて高くなります。母体の命を守る安全上の理由から、通常の出産とまったく同じように子宮口を開き、陣痛を起こして娩出させる「人工分娩」が医学的な絶対基準と定められています。
中期中絶の入院期間と処置の流れは、一般的に3泊4日から4泊5日の管理入院を要します。体験者が口を揃えて「最初の関門であり最大の苦痛」と語るのが、ラミナリア処置の痛みと前処置です。硬く閉じた子宮頸管を安全に広げるため、水分を吸って膨らむ乾燥海藻素材の細い棒(ラミナリアやダイラパン)を子宮口に挿入します。未経産婦や帝王切開歴のある女性の場合、強固に閉じた子宮頸管を押し広げる処置は強い下腹部痛を伴います。体験談ブログでは「下腹部を万力でギリギリと締め上げられるような鋭い激痛」「脂汗が噴き出し、処置台の上で声が出なかった」という証言が多数見られます。この処置を半日から1日おきに本数を増やしながら数回繰り返します。
子宮頸管が十分に開いた段階で、人工妊娠中絶における陣痛誘発剤(主にプロスタグランジン製剤の膣錠)が3時間おきに投与されます。投与開始から数時間で下腹部に規則的な張りと激痛が走り、本格的な陣痛が始まります。分娩監視装置をつけながら迎える陣痛は通常の出産と変わりません。さらに薬剤の副作用による悪寒、高熱、頻回の嘔吐や下痢が重なり、中期中絶の痛みの実態は身体的・体力的に極めて過酷な限界状態へと達します。数時間の陣痛に耐えた後、病室や分娩台の上で胎児が娩出され、続いて胎盤の用手剥離や子宮収縮の確認が行われます。