SNSや掲示板などで「シーズーの子犬を無料で譲り受けた」という投稿を目にすることがあります。この噂が広まる最大の要因は、保護団体からの受け入れにおいて「生体そのものに対する対価(生体販売代金)が発生しない」という点にあります。営利目的の販売ではないため、ペットショップのように数十万円もの代金を支払う必要はありません。
しかし、「支払いが完全に0円」であるケースは自治体の動物愛護センターから直接引き出す極めて例外的な事例を除き、ほぼ存在しません。一般的に民間保護団体から譲渡を受ける場合、3万円から7万円程度の実費負担が求められます。これは犬の購入費用ではなく、保護期間中にかかった医療費や飼育管理費を意味します。
譲渡に伴い里親が負担する主な内訳は、混合ワクチン接種代、狂犬病予防注射、マイクロチップ装着・登録料、内外寄生虫の駆除費用、血液検査や健康診断費用、そして月齢に応じた不妊去勢手術代です。子犬のうちに保護され、まだ不妊手術を受けていない月齢であれば、将来の手術を約束する「手術デポジット(預かり金)」を納めるケースも一般的です。保護犬を迎える行為は、ボランティア団体が命を繋ぐために立て替えた医療費を次の保護活動へ還元するリレーであり、決して「タダで手に入れる手段」ではないという認識が不可欠です。