赤い帽子が長年にわたりブライダルギフトや出産内祝いの筆頭候補として選ばれ続けている理由は、味や価格だけでなく、ブランドが内包する「幸福のシンボル」としての文脈にあります。
ブランドの歴史は、神奈川県湯河原町に本社を構える老舗菓子グループ「ちぼり(Tivoli)」に端を発します。ちぼりは創業以来、本格的な焼き菓子の製造で日本の洋菓子文化を支えてきたパイオニアです。そのちぼりグループから誕生したブランド「赤い帽子」の象徴である少女の油彩肖像画は、著名な童画家・絵本作家である深沢邦朗(ふかさわ くにお)氏によって描かれました。
この肖像画には、古くから愛され続けるストーリーが存在します。かつて館に飾られていた赤い帽子の絵の前に立つと、訪れた人々に次々と幸せが訪れたという言い伝えから、いつしか「しあわせの赤い帽子」と呼ばれるようになりました。この縁起の良い伝承が口コミで広がり、「結婚するふたりの幸せをおすそ分けする」「贈られた家庭に幸福を招く」という願いを込めるウェディングシーンにおいて、不動の定番としての地位を確立しました。
特筆すべきは、この文化が海を越えてアジア圏へも波及している点です。台湾をはじめとする東アジア地域では、結婚に際して新郎新婦が親族や友人に贈る婚礼引き菓子「喜餅(シービン)」の文化が根付いていますが、そこにおいて「日本の赤い帽子(紅帽子)」はステータスの象徴とされるほどの圧倒的なブランド力を誇っています。国際的な贈答基準をクリアしているという実績も、日本の消費者に安心感を与える大きな拠り所となっています。