物語の原点である「竈門炭治郎 立志編」を象徴するLiSAの「紅蓮華」は、まさに劇薬のようなインパクトを放っていた。傷だらけになりながらも泥を啜り、妹のために立ち上がる少年の泥臭い覚悟が、ソニー・ミュージックエンタテインメントの誇るロックヒロインの歌声に乗って疾走する。ただ勇ましいだけではない。そこには拭い去れない哀切と、運命に抗う激しい祈りが刻まれていた。
アニプレックスと制作陣が目指したのは、従来の定型化されたアニメソングの枠組みを打ち破ることだった。研ぎ澄まされたギターリフと、胸を締め付けるサビのメロディライン。「紅蓮華」の爆発的ヒットは、作品単体のみならず現代の音楽シーン全体の力学をも塗り替える契機となった。