日本における「ゆるいビジュアル」の浸透を語る上で、イラストレーターのみふねたかし氏と、同氏が運営する「いらすとや」の存在は外せない。行政の掲示板からテレビ番組、企業の広報物に至るまで、氏の描くどこか愛嬌のあるキャラクターたちは、日本の視覚言語における標準フォーマットの一つとなった。
この文化的背景があるからこそ、私たちは素朴なタッチの絵柄に本能的な安心感を覚える。LINEヤフー株式会社が提供するスタンプ市場でも、脱力系クリエイターズスタンプは常にランキング上位を維持し続けている。アイコンをゆるいタッチにする行為は、単なる気まぐれではなく、共有された安心の記号を身につける選択なのだ。