NHKの受信料減免制度を理解するうえで最初に把握すべきは、世帯全体の経済状況を基準とする「全額免除」と、障害の重さと世帯主の属性を基準とする「半額免除」の決定的な線引きです。放送法第64条第2項および総務大臣の認可を受けた放送受信規約に基づき、対象条件は厳密に定められています。
まず全額免除が適用されるためのNHK受信料全額免除条件は、世帯構成員のどなたかが身体障害者手帳、療育手帳(愛の手帳やみどりの手帳など)、精神障害者保健福祉手帳のいずれかを所持しており、かつ「世帯全員が市町村民税非課税」であることです。ここでは手帳の等級は一切問われません。仮に精神障害者保健福祉手帳3級や身体障害者手帳6級であっても、同一生計の家族全員が非課税であれば、地上契約・衛星契約ともに受信料は100%免除、すなわち0円となります。
一方、世帯に課税者が1人でもいる場合は、NHK受信料半額免除の対象になるかどうかが焦点になります。半額免除では所得制限が課されない代わりに、障害の種類・等級と、住民票上の「世帯主」かつ「NHK受信契約者」であるという二重の属性が求められます。
身体障害者手帳受信料割引において、肢体不自由や内部障害の場合は1級・2級に限定されますが、視覚障害・聴覚障害に関しては障害の度合いにかかわらず半額免除の対象に含まれます。また、精神障害者保健福祉手帳NHK免除では半額免除のハードルが「1級のみ」に絞られており、2級や3級の所持者が課税世帯に暮らしている場合は減免を受けられないという厳しい現実があります。