純白で神聖なイメージを持つ一方で、「白いユリの花言葉には怖い裏の意味があるのではないか」と囁かれることがあります。結論から言えば、白いユリ自体に直接的な「死」や「呪い」といった呪詛的な花言葉は存在しません。ではなぜ、不吉な噂が広まったのでしょうか。
背景には大きく分けて3つの要因が存在します。
- 受難と死者への手向け:ヨーロッパでは、処刑を前にしたキリストがゲッセマネの園で祈りを捧げた際、周囲の花が頭を垂れる中でユリだけが咲き誇っていたものの、キリストに見つめられて恥じ入り白く変わったという伝承があります。また、魂の救済を願う意味から「死者へ捧げる花」として定着した歴史が、死を連想させる要因となりました。
- 強い香りと猫への強い毒性:ユリの甘く濃厚な香りは密閉空間で頭痛や気分の悪化を招くことがあります。さらに、ユリ科植物は猫にとって猛毒(腎不全を引き起こす)であり、花粉や花瓶の水を少量口にしただけでも命に関わります。この生物学的な危険性が「怖い花」というイメージを助長しました。
- 他色(黄色・オレンジ・黒)の花言葉との混同:ユリ全体で見ると、黄色は「偽り」「不安」、オレンジは「軽率」、黒ユリは「復讐」「呪い」といったネガティブな花言葉を持ちます。これらが白いユリの情報と混同されたことも一因です。