本作の大きな魅力は、メイン脚本を務めた桑原亮子が紡ぎ出した繊細な台詞の数々だ。障害を抱えながらも詩人・脚本家として活躍する桑原の視点は、登場人物ひとりひとりの苦悩や不完全さに優しく寄り添う。大きな事件や派手な愛憎劇に頼るのではなく、日々の営みや挫折からの再起を丁寧に描写した手法は高く評価された。
連続テレビ小説の枠組みにとどまらず、上質なヒューマンドラマとして昇華された背景には、演出陣とキャストの綿密なコミュニケーションがあった。空を飛ぶ夢を諦めた舞が、地上のネジ製造で再び空を目指すという展開は、挑戦し続けるすべての人々へのエールとなった。日本のテレビドラマ史においても、地域社会と個人の夢を丁寧に結びつけた秀作として確固たる評価を得ている。