奇跡のリンゴはなぜ腐らない?木村秋則の苦闘と嘘と噂の真相に迫る

奇跡のリンゴはなぜ腐らない?木村秋則の苦闘と嘘と噂の真相に迫る

奇跡のリンゴはなぜ腐らない?木村秋則の苦闘と嘘と噂の真相に迫るについて見逃せない 注意点を分かりやすく解説いたします。

木村秋則氏の孤軍奮闘が世に知れ渡る決定打となったのは、ノンフィクション作家・石川拓治氏による書籍『奇跡のリンゴ』(幻冬舎)でした。自暴自棄となり山へ向かった男の絶望と再生、夫を信じ続けた妻・美栄子氏の献身、そして「百姓が畑で死ぬなら本望だ」と寡黙に支え続けた義父・征二氏の姿は、多くの読者の涙を誘いました。単なる農業ドキュメンタリーにとどまらず、家族の愛と人間の不屈の尊厳を描いた傑作評伝としてロングセラーを記録しています。

この原作をもとに2013年に公開された映画『奇跡のリンゴ』(監督:中村義洋、音楽:久石譲)も大きな話題を呼びました。実直でどこか不器用な主人公・木村秋則役を阿部サダヲが熱演し、苦難を共に背負う妻・美栄子役を菅野美穂、背中で男の覚悟を教える義父役を名優・山﨑努が演じ切りました。貧困の中で子どもたちの文房具すら買えず、それでも泥にまみれてリンゴの樹にしがみつく人間の業と崇高さを見事に映像化し、興行的な成功を収めました。

そして、木村氏のリンゴの真価を農業界の外から最初に見出し、料理界にその名を刻んだのが、地元・弘前市のフレンチレストラン『レストラン山崎』のオーナーシェフ、山崎敬治氏です。まだ世間が無農薬リンゴの存在すら知らなかった頃、小ぶりで肌の荒れた木村氏のリンゴを口にした山崎シェフは、その圧倒的な凝縮感と雑味のなさに衝撃を受けました。通常のリンゴはすりおろすと瞬く間に褐変(酸化して茶色に変色)しますが、木村氏のリンゴはすりおろして何時間置いても美しい乳白色のまま酸化しないという驚異的な性質を持っていたのです。

こうして誕生した名作が、今や全国の美食家が弘前を訪れる理由となっている「木村秋則さんの奇跡のリンゴの冷製スープ」です。砂糖や過度な調味料に頼らず、リンゴそのものが持つ酸味と甘み、自然なとろみを極限まで引き出したスープは、木村氏のリンゴが単なる「無農薬という観念」ではなく、「官能的な味わいにおいても最高峰である」ことを証明する動かぬ証拠となりました。

山田 真由
著者

山田 真由

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