菊池風磨の役者人生における大きなターニングポイントとなったのが、2023年夏から秋にかけての連続主演でした。
火曜深夜枠の『ウソ婚』では、スタイリッシュな外見とは裏腹に、ヒロインへの愛が重すぎるあまり空回りする男性の哀愁を絶妙なコメディリリーフとして成立させました。単なるキラキラ系ラブコメにとどまらず、視聴者が感情移入しやすい「ダサくて愛おしい人間味」を宿らせたことが、見逃し配信における驚異的な再生回数へとつながった背景にあります。
その直後にバトンを受け継ぐ形でスタートしたのが、土曜22時枠の『ゼイチョウ』です。税金滞納というシビアな現実を扱う作品において、彼は持ち前の軽快なノリで敷居を下げつつ、核心部分では凛とした眼差しで社会制度の矛盾に切り込みました。軽やかさと重厚さをシームレスに切り替えるスイッチングの巧みさは、民放各局のドラマプロデューサー陣からも高く評価されています。