北関東のラーメン通の間で「自宅で作るラーメンの最高峰」として揺るぎない地位を築いているのが、常陸大宮市野口に本拠を置く「有限会社 麺工房かどや」の御前山ラーメンです。かつての東茨城郡御前山村の清らかな水と澄んだ空気の中で育まれたこの麺は、派手な全国テレビ広告を打つこともなく、純粋な口コミと地元住民の手土産文化によってその名をとどろかせてきました。
愛され続ける最大の理由は、徹底した温度・湿度管理のもとで時間をかけて熟成させる「多加水の生麺」にあります。包丁切りされた麺の表面はつるりと滑らかでありながら、しっかりとスープを抱き込む縮れ加工が施されており、噛み締めた瞬間に小麦本来の自然な甘みが口いっぱいに弾けます。一般的なチルド麺にありがちな酒精(保存用のアルコール香)のツンとした匂いが極めて少なく、茹で上がりの香りは製麺工場の打ち立てそのものです。
さらに購入者をワクワクさせる仕掛けが、麺とスープをバイキング形式のように自由にカスタマイズできる販売システムです。麺工房かどやの直売所に足を踏み入れると、ズラリと積まれた生麺の脇に、醤油、味噌、塩、豚骨、タンメン、煮干し、辛味噌といった多彩なスープ小袋が並びます。来店者は好みの麺(中太、細麺、極太など)とスープを好きな数だけカゴに入れ、自分だけのオリジナルセットを組み立てていきます。1食あたりわずか100円台半ばから200円前後という圧倒的なコストパフォーマンスも手伝い、10食、20食とまとめ買いしていく光景が日常となっています。