ロゴセラピーとは?絶望を力に変える3つの価値と実践アプローチ

ロゴセラピーとは?絶望を力に変える3つの価値と実践アプローチ

ロゴセラピーとは?絶望を力に変える3つの価値と実践アプローチに関する疑問を分かりやすくまとめました。詳細な解説をご覧ください。

人生に行き詰まったとき、多くの人は「私の人生にはどんな意味があるのか」と自問します。しかし、フランクルはここに決定的なコペルニクス的転回を求めました。「人間が人生の意味を問うのではない。人間こそが、人生から常に問いかけられているのだ」という視点の逆転です。

私たちは人生という舞台において、意味を要求する側ではなく、目の前で起こる出来事に対して「自らの行動と責任をもって回答する側」に立っています。どれほど苦しい状況であっても、人生は常に私たちに何かを問いかけており、それに応える手段として、フランクルは人間が実現できる「3つの価値」を提示しました。

価値の分類具体的な定義・アクション日常・職場における事例編集部の分析と意義創造価値仕事、作品、行動を通じて自らの内面を外界へ表現し、何かを生み出す価値。企画書の作成、料理、育児、家事、ボランティア活動など。能動的な働きかけ。他者や社会に貢献している実感が自尊感情の基盤となる。体験価値自然、芸術、他者との真摯な対話や愛情を外界から深く受け取る価値。夕焼けの美しさに息を呑む、音楽に浸る、パートナーと心を交わす。受動的な享受。成果を出せなくても「今ここ」の美しさを味わうだけで生は満たされる。態度価値不治の病や喪失など、変えられない運命に対してどのような姿勢をとるかという価値。理不尽な境遇を恨まず、尊厳を保って運命を受け入れ、前を向く生き様。ロゴセラピーの真骨頂。奪い去ることのできない「人間最後の自由」を体現する。

仕事で活躍し、家庭を築くことで人は「創造価値」を実現します。また、美しい絵画を鑑賞したり誰かを深く愛したりするとき、人は「体験価値」を享受しています。しかし、人生には重い病に倒れて働く力を失い、創造価値が断ち切られる瞬間があります。孤独に苛まれ、美しいものを受け取る余裕を失い、体験価値が閉ざされる局面も訪れます。

そうした絶体絶命の淵にあっても、残された最後の価値が「態度価値」です。フランクルは『夜と霧』の中で、「人間に残された最後の自由とは、いかなる状況にあっても自分の態度を決める自由である」と書き遺しました。環境そのものは選べなくても、その運命に対して卑屈になるか、威厳をもって耐え忍ぶかという「心の態度」だけは、何者にも奪われません。この態度価値の存在こそが、あらゆる絶望を乗り越える決定的な支えとなります。

田中 結衣
著者

田中 結衣

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。