過去に甲子園の舞台で智弁和歌山と対戦した名門校のバッテリーや内野手たちの証言を検証すると、ジョックロックがもたらす現場のリアルな圧迫感が浮かび上がってきます。
対戦経験のある元高校球児の手記や特番インタビューでは、「マウンドに立つと、足元からグラウンド全体が揺れているように感じた」「キャッチャーの構えるミットの音がまったく聞こえなくなり、自分の心拍音だけが耳元で異常に大きく響いた」という生々しい告白が共通して語られています。
高校生の精神状態は極めて繊細です。甲子園という大舞台の極限状態において、球場全体が智弁和歌山の得点を期待するような空気感(いわゆる「甲子園の魔物」の正体)に包まれたとき、ジョックロックはその空気を可視化・可聴化する引き金として機能します。味方にとってはこれ以上ない勇気と推進力を与える追い風となり、相手守備陣にとっては守るべき塁間が果てしなく遠く感じられる心理的アウェイ空間を強制的に創出しているのです。