事件発生直後、過熱する報道合戦の中でマスメディアの姿勢にも批判の矛先が向けられた。容疑者個人の派手な交友関係やプライベートを刺激的に報じるセンセーショナルなゴシップ記事が相次ぎ、虐待を生み出す構造的要因への追及が後回しにされたからだ。この反省を受け、児童福祉・報道メディア業界の双方で虐待報道の倫理ガイドラインの見直しが進められた。
単に個人をバッシングして糾弾するにとどまらず、いかにして地域のSOSを早期に発見し、福祉の支援体制へつなげるか。報道が果たすべき警告機能とプライバシー保護の調和が、より厳格に問われる転換点となったのである。