斜度38度。見下ろす者を威圧するかのように連続する巨大なコブの連続、それが名物「黒森ゲレンデ」だ。ここは長年にわたり、国際スキー・スノーボード連盟(FIS)が公認するワールドカップの激闘を見守ってきた舞台である。
全日本スキー連盟(SAJ)の指定強化拠点としても機能してきたこの斜面では、数々のドラマが紡がれてきた。とりわけ、世界の頂点を争う堀島行真がこの黒森のコブを異次元のスピードで切り裂き、空中高くコーツツイストを決めた光景は、今なお多くのファンの記憶に生々しい。モーグル競技の過酷さと美しさが同居するこの急斜面は、現在もアスリートたちの限界を試し続けている。腕自慢のスキーヤーたちが挑んでは弾き返される光景すら、この山の日常風景の一部だ。