主要なビジネスメール環境において、添付ファイルの容量制限はどのように設計されているのか。まず基本となるプラットフォームの公称値を整理する必要があります。
世界中で広く使われているGoogleのGmail添付ファイル容量上限は、送信が1通あたり最大25MB、受信が最大50MBに設定されています。一方、Microsoftが提供するOutlook添付ファイルサイズ制限は、無料のWeb版(Outlook.com)やExchange Onlineの標準設定で20MB〜35MB程度、契約プランや管理者のポリシーによって個別に上限が絞り込まれているケースが一般的です。
ここで多くのユーザーが「20MBのPDFなら問題なく送れるはずだ」と誤認します。しかし、まさにこの思い込みこそが、メール容量オーバー送れない理由の技術的盲点です。
電子メールの標準プロトコル(SMTP)は、もともと英数字のテキストデータしか扱えない仕様で設計されています。そのため、画像やPDFなどのバイナリデータを添付する際は、「Base64」という方式でテキスト文字列に変換(エンコード)して送信します。この変換処理を行うと、データのサイズが機械的に約133%(約1.33倍)に肥大化します。つまり、パソコン上で「18MB」と表示されているファイルは、メールに添付した瞬間に約24MBへと膨れ上がり、Gmailの上限値25MBの限界に到達してしまうわけです。
さらに送信処理が進んでも、宛先サーバーから「552 5.3.4 Message size exceeds fixed maximum message size」といった英語の送信エラーBounceMail原因が返ってくる事態が頻発します。自分が送信できても、相手の受信用サーバーに「10MB以上のメールは一律拒否する」というファイアウォール設定があれば、データは相手の受信トレイに届くことなくサイバー空間で消滅します。