全国単位の集計から離れ、都道府県別苗字ランキングに目を移すと、地域独自の歴史的背景がさらに鮮明になります。
最も独自性が際立つのが沖縄県です。沖縄県のTOP3は「比嘉(ひが)」「金城(きんじょう)」「大城(おおしろ)」であり、本土のTOP10姓はほぼ上位に登場しません。これは琉球王国時代の地名や間切(まぎり=行政区画)に由来する独自の間切名・村名がそのまま名字へと移行したためです。
また、東北地方の青森県では「工藤」「佐々木」が上位を占め、津軽藩や南部藩の領地経営に関わった武士たちの歴史が色濃く残っています。さらに鹿児島県では「前田」「鮫島」「有馬」など、薩摩藩特有の門割制度(かどわりせいど)の影響を受けた独自の名字分布が見られます。富山県で「中川」や「朝倉」、山梨県で「望月」や「渡辺」が多いなど、各県のトップ名字はその土地を治めた大名や開拓の歴史そのものを物語っています。