市民農園や家庭菜園の現場を定点観測すると、玉ねぎ栽培で挫折する人の約8割が、植え付けから2週間以内の「初期対応」で致命的なエラーを犯しています。丹精込めて育てたつもりでも、植物生理に反した作業を行えば苗は簡単に枯死するか、肥大を停止します。収穫の命運を分ける「5大NG行動」を把握しておかなければなりません。
第一のNGは、生長点を土に埋める「深植え」です。苗の白い部分がすべて隠れるほど深く植えると、新しい葉が展開する中心部(生長点)が窒息状態に陥り、生育が著しく停滞します。その結果、球が縦長のいびつな形になったり、過湿で株元から腐敗したりする直接的な引き金となります。
第二のNGは、「太くて立派な苗」を選んで植え付けることです。一般的な野菜苗は太くがっしりしたものが好まれますが、玉ねぎではこれが命取りになります。茎の直径が8mmを超える大苗は、冬の寒さを感知した瞬間に花芽を形成し、春になると中心からネギ坊主が伸びる「とう立ち」を起こします。こうなると芯が木質化して硬くなり、食用としての価値を失ってしまいます。
第三のNGは、植え付け時期の過度なズレです。早すぎる植え付けは越冬前に苗が育ちすぎてとう立ちを誘発し、逆に遅すぎる植え付けは根が張る前に厳冬期を迎えて霜柱に持ち上げられ、枯死に至ります。
第四のNGは、植え付け後の「毎日の水やり」です。玉ねぎは乾燥には比較的強い一方、過湿には極めて脆弱な性質を持ちます。根付いた後に毎日水を注ぎ続けると、土中の酸素が欠乏して根腐れを起こし、冬本番を迎える前に株が溶けるように消滅します。
第五のNGは、春先の「止め肥(追肥の打ち切り)」を怠ることです。4月以降になっても「もっと大きくしたい」と肥料を与え続けると、葉ばかりが繁茂して球が締まらず、収穫後に首元から病原菌が侵入して長期保存ができなくなります。