SNSや料理質問掲示板を調査すると、「みりんがないからと適当に代用したら、味が塩辛くなりすぎて台無しになった」「子ども用の食事でアルコールが残らないか不安になった」といったリアルな失敗談が数多く投稿されています。大手レシピメディアの検証記事や醸造メーカーの公開データによると、失敗原因の約7割は調味料の塩分含有量とアルコール含有量の見落としに起因しています。
市販のみりん関連調味料は、法律上および成分構造上、明確に3つのカテゴリーに分断されています。この構造を理解していないと、重大な調理ミスを引き起こします。
第1に「本みりん」。アルコール分約14%、塩分0%であり、酒税法上の「酒類」に分類されます。第2に「みりん風調味料」。アルコール分は1%未満に抑えられ、水あめなどの糖類をベースに醸造調味料などをブレンドしたもので、アルコール効果はないものの塩分はほぼゼロです。そして最も警戒すべきが第3の「みりんタイプ発酵調味料(醸造調味料)」です。
クラシルなどの料理専門メディアの解説でも指摘されている通り、発酵調味料は本みりんと同様に約14%のアルコールを含みながら、酒税の対象から外すために不可飲処置として約1.5〜2.5%前後の塩分が意図的に添加されています。さらに、一般的な「料理酒(加塩料理酒)」にも約2%前後の塩分が含まれています。みりんがないからと「加塩料理酒」と「発酵調味料」を重ねて投入すると、レシピに想定されていない余剰な塩分が大量に混入し、煮物やタレが塩辛くなってしまう構造的トラップが生じるのです。