インターネット上のレビューや旅行口コミサイトで散見される「ほたるいかミュージアムはがっかりした」という低評価の正体は何なのか。現地調査および投稿された生の声・レビューコメントを多角的に分析すると、主に3つの要因が浮かび上がってきます。
第1の要因は、前述した「オフシーズンに訪れて生きたホタルイカを見られなかった」という情報不足です。「富山名物のホタルイカを見に来たのに、見せられたのはウミホタルの顕微鏡映像と発光実験だった」という落胆の声は少なくありません。施設側も公式サイトやパンフレットで明確に告知していますが、旅行者が「ホタルイカミュージアム=年中ホタルイカが泳いでいる」と思い込んでしまうケースが後を絶ちません。
第2の要因は、「発光ショー自体の時間と生物のデリケートさ」です。実際のショー体験者の手記やレビューには、「網を引いた瞬間にパッと光るが、光っているのはほんの数秒〜数十秒」「暗闇に目を慣らす必要があり、写真撮影も禁止されているため、あっけなく終わった印象を持った」という感想が並びます。ホタルイカは強い刺激を与え続けると弱ってしまう非常に繊細な深海生物であるため、イルカショーのような長時間の派手な演出を期待して行くと、拍子抜けしてしまう傾向があります。
第3の要因は、「施設規模の誤認」です。大都市圏の大規模アクアリウムを想像していると、ワンフロアを中心とした展示構成に対して「入場料の割にすぐ見終わってしまった」という不満が生じやすくなります。
一方で、高評価をつけている旅行者の声に耳を傾けると、「春の限定時期に訪問し、冷たい富山湾深層水のタッチプールで生きたホタルイカに触れられた」「生態解説が非常に知的で、大人にとっても科学的な学びが深かった」といった意見が目立ちます。つまり、この施設の本質は「エンタメ水族館」ではなく、富山湾特有の生態系を解き明かす「専門科学博物館」であり、その前提を理解して訪れているかどうかが満足度の決定打となっています。