雅子さまのスカーフ使いに視線が集中する最大の理由は、単なる防寒やアクセントの域を超え、「訪問先へのメッセージ」として首元をプロデュースされている点にあります。国際親善の場における相手国のナショナルカラーの取り入れ方や、被災地訪問時の温もりを感じさせる柔らかな配色など、スカーフ一枚に込められた文脈の深さが、多くの人々の心を捉えています。
長年囁かれてきた「雅子皇后のエスメススカーフ愛用説」については、宮内庁関係者の証言や当時の報道記録からも明らかな事実が浮かび上がります。外務省時代に自らの給与で購入されたとされるエルメス(Hermès)の代表作「カレ90」は、ご成婚後も大切に保管され、折々のご公務で幾度となく着用されてきました。馬具や航海、植物などクラシックな図柄を誇るフランスの至宝シルクは、上質な光沢と厚みがあり、雅子さまのシャープなテーラードジャケットと見事な調和を見せています。
さらに見逃せないのは、海外ハイブランド一辺倒ではない雅子さまのファッションブランド哲学です。国内の熟練職人が手がけた横浜シルクのスカーフや、皇室御用達として知られる国内老舗アパレルの特注品も巧みにワードローブに組み込まれています。「高価な新作を次々と披露する」のではなく、30年以上の歳月を経てなお美しいヴィンテージアイテムを、完璧なプレスと手入れによって現代に蘇らせる着こなしこそが、国内外のファッション関係者から惜しみない賛辞を送られる本質です。