「世界ランキング1位の日本が世界最強なら、なぜアメリカのドリームチームに勝つのはあれほど過酷なのか」「MLBのトップスターが揃うアメリカが3位前後なのはおかしいのではないか」という疑問は、SNS上でも頻繁に炎上を招くテーマです。
この議論の根底には、「WBC」と「WBSC世界ランキング」の管轄と目的の決定的な乖離が存在します。
WBCは、MLB機構(メジャーリーグベースボール)とMLB選手会が立ち上げた民間共同出資会社「WBCI」が主導する、いわばメジャーリーガーのための最高峰興行トーナメントです。WBSCは公認機関として大会にランキングポイントを付与する立場に過ぎません。
対して、WBSCプレミア12やアンダー世代の大会は、MLBの40人枠ロースターに入っているスター選手の派遣を認めていません。アメリカ代表は、マイナーリーグ所属の有望株(プロスペクト)や独立リーグの選手を中心とした編成を余儀なくされます。一方の日本や台湾、韓国などのプロリーグは、ペナントレースを調整してでも国内トップ選手を代表に送り込むケースが多いため、プレミア12や国際予選での勝率に圧倒的な格差が生まれます。
要するに、WBCが「その瞬間のトップエンド戦力の頂上決戦」を証明する舞台であるのに対し、WBSC世界ランキングは「12歳からプロに至るまでの野球育成ピラミッド全体の総合基礎体力」を可視化したインデックスなのです。