腸腰筋の起始と停止を完全攻略!丸暗記を防ぐ解剖学と臨床の極意

腸腰筋の起始と停止を完全攻略!丸暗記を防ぐ解剖学と臨床の極意

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Q1:大腰筋の起始部にある「浅頭」と「深頭」のあいだを通過する神経は何ですか?
A1:大腰筋の浅頭(椎体側面)と深頭(肋骨突起)のあいだの隙間からは、腰神経叢(Lumbosacral plexus)を構成する神経根(特に大腿神経や閉鎖神経などへ合流する前枝)が通過します。この解剖学的構造のため、大腰筋が異常にスパズム(痙攣性の過緊張)を起こすと、内部を貫通する神経を絞扼・刺激し、大腿前面や内側の放散痛、神経障害性疼痛の原因となることがあります。

Q2:小腰筋は大腰筋と何が違い、なぜ小転子に付かないのですか?
A2:小腰筋は大腰筋の前内側を並走する細長い筋肉ですが、停止部が大腿骨まで到達せず、骨盤の「恥骨筋線」や「腸恥隆起」に付着して終わります。つまり股関節を跨がない単関節筋(あるいは体幹筋)であるため、股関節を屈曲させる力は持たず、骨盤の安定化や腸骨筋膜の緊張維持を担っています。系統発生(進化の過程)において四足歩行から二足歩行へ移行するなかで退化した筋肉とされており、人類の4割から半数で先天的に欠如しています。

Q3:腸腰筋のストレッチをする際、腰を痛めないための最大のコツは何ですか?
A3:最大のコツは、「ストレッチ動作に入る前に、骨盤を意図的に後傾させ、下腹部(腹横筋)を軽く引き締めておくこと」です。大腰筋は腰椎椎体に起始しているため、骨盤が前傾して腰椎が反った状態で下肢を後ろに引くと、筋肉が引き伸ばされる前に腰椎椎間関節がロックして激しい腰痛を引き起こします。腰椎前弯を平坦化させ、起始部(腰椎)を固定した状態で大腿骨を伸展させることで、狙った腸腰筋腱群を安全かつダイレクトに伸張できます。

橋本 菜々子
著者

橋本 菜々子

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。