ここで見落としてはならないのが、「トキシック・ポジティビティ(有害な前向き思考)」の罠です。ネットの名言カルチャーに傾倒するあまり、「どんなに辛くても前向きでいなければならない」「明日は良い日になると信じられない自分はダメな人間だ」と、新たな自己嫌悪のループに陥ってしまうケースが報告されています。
臨床心理の現場では、「もっといい日になる」という言葉を「劇的な成功や好転」と解釈しすぎないことが推奨されています。「お気に入りのコーヒーが美味しく淹れられた」「満員電車で座れた」といった、日常の微細な充足感をカウントすることこそが本来の効能であり、壮大な変化を期待することはかえってストレス源になりかねません。
【プロの結論】言葉を取り入れるべき人・慎重になるべき人の判断基準
本フレーズを心の支えとして活用するにあたり、編集部が心理カウンセラーの知見を総合して作成した判断基準が以下の通りです。
【向いている人・今すぐ取り入れるべき人】
・完璧主義で「今日のタスクがすべて終わらなかった」と自分を責めがちな人
・就寝前のマインドワンダリング(雑念の暴走)を断ち切り、気持ちを切り替えたい人
・目標に向かって努力を続けており、日々の歩みを肯定する推進力が欲しい人
【慎重になるべき人・いま距離を置くべき人】
・心身のエネルギーが完全に枯渇し、朝起き上がることも辛い重度の抑うつ状態にある人
・過酷なハラスメントなど、言葉ではなく「物理的な環境の隔離」が急務である状況の人
・「もっと」というフレーズに無意識のノルマ感や息苦しさを感じてしまう人