彼らの故郷は、南太平洋に横たわる広大なニューギニア島南部およびその周辺諸島だ。鬱蒼としたマングローブ林や淡水の氾濫原、流れの緩やかな河川に広がる低地湿帯に潜む。乾季と雨季が激しく入れ替わる過酷な熱帯環境で、泥に潜って乾燥期をやり過ごす独自のサバイバル能力を進化させてきた。
だが、その故郷はいま急速に痩せ細りつつある。パーム油プランテーションの開発による湿地帯の破壊、水質汚染、そして野生個体の乱獲だ。国際自然保護連合(IUCN)によるレッドリスト評価をはじめ、野生動物の国際取引を取り締まるワシントン条約(CITES)の議論においても、淡水カメ類の取引制限は年々厳格化の一途をたどる。かつてのように野生採取個体(WC)が無秩序に輸入される時代は完全に終わった。流通の中心は欧州や国内ブリーダーによる繁殖個体(CB)へと移行しているが、供給量は極めて限られ、価格の高騰と入手機会の希少化が進んでいる。