メディアやSNSでは「怪我を完全に克服した鉄腕エース」として持ち上げられることが多い才木浩人ですが、ここには見落とされがちな落とし穴が存在します。ネット上のファンの間では「中5日で投げさせるべきだ」「もっと完投させてイニングを稼ぐべき」という過度な期待の声が散見されますが、現場の運用は決して無理をさせない極めて慎重なアプローチが取られています。
阪神首脳陣およびトレーナー陣は、トミー・ジョン手術経験者の靭帯や筋膜にかかるストレスを細かくモニタリングしています。登板後の肘の張り具合や筋出力の回復度合いを数値化し、必要に応じて登板間隔を中6日から中7日に空けるなど、計画的なコンディション調整が敷かれています。
「投げられるから投げる」のではなく、「数年後もエースとして投げ続けるために休養を織り交ぜる」。この現代的なスポーツマネジメントの徹底こそが、才木浩人が高い防御率と圧倒的な奪三振率を維持できている本当の理由です。表面的な登板数や完投数だけで状態を判断することは、現代プロ野球の現場データと乖離した見方と言わざるを得ません。