インターネット上の掲示板やSNSでは、時に根拠の薄いイメージ先行の言説が飛び交います。「LCCと違って大手ならどこも同じ」「JALは事故が起きたから危険なのでは」「ANAは遅延が多い」といった極端な言説は、実際の公開データを検証することで誤解であることが判明します。
国土交通省が四半期ごとに発表する「航空輸送サービスに係る情報公開資料」や、航空データ分析会社シリウム(Cirium)が毎年発表する「定時運航率(On-Time Performance)ランキング」を精査すると、定時運航率と安全性の真相が浮き彫りになります。
世界全体のエアライン比較において、JALとANAは常にトップ5前後にランクインしており、定時出発率はともに80%台後半から90%超という極めて驚異的な数値を維持しています。天候不良や航空路混雑といった不可抗力による遅延を除けば、機材繰りや整備起因の遅延率は極めて低く、両社の間に有意な差はありません。
また、安全性に関しても、2024年の羽田空港における海保機との衝突事故において、JAL516便の乗員乗客379名全員が無事に生還した「奇跡の脱出」は、世界中の航空関係者から平素の乗員訓練と安全思想の結実として激賞されました。ANAも含め、日本の大手2社が注ぎ込む安全管理・整備体制への投資水準は世界最高峰であり、「どちらかが危険」というネット上の言説には客観的根拠が存在しません。