頭部強打後に頻発する症状である「たんこぶ」「嘔吐」「睡眠」について、家庭内での見極めと対応を体系的に整理しました。赤ちゃんの体格やフローリングの硬度によって衝撃の波及度合いは大きく変化します。
頭皮に硬いたんこぶができている場合、それは頭皮下の毛細血管が破綻して生じた通常の皮下血腫です。ここでのフローリング転倒に伴うたんこぶの処置の鉄則は、「冷やす」「絶対に揉まない」「押さない」の3点です。保冷剤や氷を薄手のタオルに包み、嫌がらない範囲で10〜15分程度局所を冷やすことで内出血の広がりを抑えられます。強く押し付けたり、民間療法のように揉みほぐしたりすると、組織損傷を広げて出血を悪化させるため厳禁です。
また、赤ちゃんが嘔吐した際の脳震盪サインにも鋭い観察が求められます。受傷直後に1回だけ、激しく泣いた拍子に胃の中のミルクや離乳食を吐き戻すケースは珍しくありません。しかし、吐いた後にスッキリして普段通りの機嫌に戻るのではなく、顔面蒼白でぐったりしている、あるいは30分から1時間おきに噴水状に吐き続ける場合は、脳への直接的な打撃による脳圧の上昇が疑われます。
さらに親を悩ませるのが、赤ちゃんが頭を打ったあとすぐに寝てしまう理由です。激痛と驚愕で全力で泣き叫んだ赤ちゃんは、全身の体力を使い果たし、自律神経の急激な弛緩によって疲労困憊して眠りに落ちることが多々あります。単なる「泣き疲れ」であれば心配ありませんが、問題は「意識を失って昏睡している状態」との区別です。判断の手順として、入眠後30分から1時間ほど経過した時点で、名前を呼ぶ、体を軽く揺する、足の裏をくすぐるなどして、しっかりとまぶたを開けて声を出し、不快そうに身じろぎするかを確認してください。刺激を与えても全く起きない、脱力したまま反応がない場合は、即座に夜間救急へ連絡を入れなければなりません。