花湯スカイテルメリゾートの特異な魅力を語る上で欠かせないのが、そのユニークな建築構造と施設再生の歴史です。本施設の母体となったのは、1997年に群馬県渋川市の公共温泉として開業した「スカイテルメ渋川」でした。宇宙船が着陸したかのような地上15メートルの高架建築は、当時の公共事業におけるシンボリックなランドマークとして大きな話題を呼びました。
しかし、開業から年数を経るにつれて設備の老朽化が進み、市による単独運営の維持が財政的な課題となりました。そこで渋川市は民間活力を導入する再生計画へと舵を切り、公募プロポーザルによって埼玉を中心に高い評価を得ていた「リゾート花湯の森」グループを民間活力導入のパートナーに選定しました。埼玉県深谷市などで「花湯の森」や「花湯スパリゾート」を展開し、圧倒的なリゾート空間づくりで知られる同社が運営ノウハウを惜しみなく注ぎ込み、大規模リニューアルを経て2020年に誕生したのが現在のリゾートです。
この経営譲渡とリニューアルのプロセスは、全国の自治体が抱える老朽化温浴施設の再生モデルケースとしても注目を集めました。特徴的な宇宙船型の高架露天風呂という唯一無二の遺産を活かしつつ、1階から2階にかけての空間を今風の「温活・癒やしのサードプレイス」へと刷新。古き良きハードウェアと最新のレジャー需要が見事に融合した成功例といえます。