ユーザーがうろ覚えのキーワードから瞬時に作品へと到達できる裏には、映画産業全体のデジタル化とメタデータ構造の革新が存在する。かつてはフィルムの保管箱や印刷されたパンフレットに眠っていた作品情報が、現在ではあらゆる角度からタグ付けされ、巨大なシネマティック・データベースへと統合されている。
脚本の台詞データから登場人物の衣裳の色、劇中で使用された音楽のジャンルに至るまで、あらゆる要素が構造化データとして処理されているのだ。このシステム革新のおかげで、我々は「あの時見た映画」の名前を忘れてしまっても、映画業界が蓄積した巨大な知のネットワークの助けを借りて、いつでも思い出の作品と再会できるようになっている。