『HiGH&LOW』の世界観を構成する「SWORD地区」の“O”を担う鬼邪高校。全国から札付きの不良が集まるこの漆黒の学校で、鬼邪高 定時制 番長として君臨したのが村山良樹でした。100発の拳に耐え抜いて頭を張ったという強烈なバックボーンを持ちながら、普段はコーラを愛飲し、バンダナ姿で気だるそうに過ごすそのギャップが、視聴者の心を掴む最大のフックとなりました。
初期のドラマ版において、山王連合会の総長・コブラ(岩田剛典)との壮絶なタイマン対決を通じて見せた「強さの先にある虚無感」と「敗北を知った後の人間的な成長」は、村山という人物を一過性の不良キャラから、シリーズ屈指の深みを持つヒーローへと押し上げました。コブラ率いる山王連合会との対峙を契機に、単なる暴力の支配者から、仲間を想い、己の進むべき道に葛藤するリーダーへと変貌を遂げていくプロセスは、視聴者の強い共感を呼んだのです。
映画ライターやエンタメ批評筋の分析によると、山田裕貴の演技力に対する評判は、この村山役を機に業界内外で跳ね上がりました。荒々しいアクションの中に細やかな目の揺らぎや脱力した呼吸を混ぜ込むアプローチは、不良アクション映画のステレオタイプを打破し、唯一無二のアンチヒーロー像を確立させました。